【アメコミ】誰だ⁉ 俺だ‼ 俺は誰だ⁉

　「タスクマスター」だっっっ！！！

　以下、息をするようにネタバレもやってますんで、一応ご注意を。

　いや。あんまり期待してなかったんで、発売からしばらくはスルーしてたのですが、どうやら面白いらしいという噂を聞きつけ、買ってみました。

　そしたら、これが面白かったんですよ‼‼

　元々、そんなにタスクマスターの事は知らなかったのですが…写真的反射能力を持つヴィラン(悪党)で、一度見た技は、すぐに覚えて再現できるとか。手にしたシールドがキャプテン・アメリカ似なのは、キャップの技も完コピしているため。剣は…ブラックナイトの技を再現してたから？だった気がするんですが…うろ覚えです。

　基本、金で雇われる傭兵で、様々な悪の組織で戦闘教官をやっていたそうです。

　強敵だけど、大物ではないというタイプですね。

　カプコンのゲーム「MARVEL v.s. CAPCOM 3」では、プレイアブルキャラクターとして参戦してました。…使ったことないかも…

　で、そんな悪役を主人公にしたミニシリーズが邦訳されたのですが…いや、なんで？

　映画にも出てきてないし、最近の邦訳で活躍したわけでもないし、そんなに人気があるとも思えないし…

　そういうタイトルが邦訳される理由は、ほぼ決まってます。

　面白いから！です。

　(逆に、映画化されたからという理由で出版される映画コミカライズとか、オリジン話とかは…いや。なんでも)

　この話は、様々な悪の組織に与してきたタスクマスターが裏切ったとして、その首に賞金がかけられ、田舎の食堂にいる時に襲撃を受けるところから始まります。

　で、その場に居合わせたウェイトレスも巻き込まれて、2人で始まる逃避行？

　ここで、タスクマスターが持つ秘密(とゆーか、後付けの新設定)が明かされます。

　彼はその能力で、見た技を記憶できる代わりに、自分の記憶を忘れてしまうのです。

　覚えているのは、自分が悪の組織に雇われる傭兵だという事と、自分に仕事を与えてくれるエージェントの電話番号くらい。技を覚えたヒーロー達のことはわりと覚えているようですが…

　かつての教え子だった悪の組織員達からは、かなり尊敬されていますが、基本、覚えていません。昔の話をされても、その場その場で取り繕っているだけ。

　なんだこの不安定なキャラクター…ムーンナイトもビックリだ(笑)

　そんな彼が、自分の「失われた過去」と向き合うのがこの一冊。

　ところどころ出てくるネタキャラもいい味出してます。ミニオンズ・インターナショナル・リベレーション・フロント(世界雑兵解放戦線…各悪の組織の、いわゆる「戦闘員」が集まった組織)とか、何考えて結集したんでしょうかねぇ(笑)

　タスクマスターの意外過ぎる正体が判明する１作。ただの「強敵」が、人間的な(むしろ非人間的な?)深みを増した、かなり面白い作品でした。

　危うくスルーするところでしたが^_^;

　「サノス・ライジング」も面白かったし、ヴィラン主役のミニシリーズって、意外と面白いものが多いのかも…今後は注意しておこう( ..)φ