理想と妄想のジャンクション

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【Vtuber】キズナアイはサイバーだ

 ここ最近、いわゆるVtuberをよく見ています。

 きっかけはやっぱりソシャゲ関連で、花騎士からスピンアウトする形で生まれたおさナズや、神姫Projectとのコラボが予定されているディープウェブアンダーグラウンドでしたが、そこからコラボ動画なんかをきっかけに色々見るようになってしまいました。

 で、最終的にはキズナアイとか、ミライアカリのような大御所にたどり着いてしまうのですが…やはりメジャーどころは、完成度が段違いで、内容も面白いんですよね。

 個人勢でもセンス良く作っている人も少なからずいますけどね。

 で、最近キズナアイ周辺のざわつきが、個人的に面白すぎるので、ちょっと書き残しておきます。

 ことの始まりは、『キズナアイな日々』という一連の動画の中でキズナアイが、いきなり4体に増えて、各々が独自性を獲得していく…という展開を始めた事でした。

 キズナアイは、そもそも人工知能であると明言しているそうで(AIだからアイ?)、その設定をなぞって考えれば、特に不自然のない話です。

 『攻殻機動隊』を思い出したのは、私だけではないと思いますが…。(むしろ『タチコマな日々』?)

 しかしこの4体に分かれて、独自性を見せ始めたキズナアイに対して、批判の声が高まっています。声が違うアイちゃんは、もはやアイちゃんじゃない。とか。

 長く応援し続けている人なら当然、突然声が変わったキャラクターに違和感を感じて、批判の声を上げたくなるでしょう。ルパン三世ドラえもんの時のように。

 しかし、オリジナルのキズナアイがいなくなったわけではないのに、この拒否反応は何なのだろうか?と、不思議な気もします。

 最終的にキズナアイの声優交代が計画されているとのでは?という、不安があるせいでしょうか?

 

 

 バーチャルYoutuberは、基本的にはアニメキャラと同様の構造で、キャラクターに声優が声を当てる事で成立します。しかし、Live2Dや3Dのモーションキャプチャーを利用する事によって、声優がダイレクトにキャラクターを動かせます。ゆえに、アニメやゲームのように台本に沿って演技するだけでなく、声優の自由な意思でキャラクターを表現できます。

 むしろ着ぐるみに近いです。

 「人間」ではない「キャラクター」をタレントとして使うのは、ふなっしーやねば~る君のような、ゆるキャラがテレビに出るようなものに近い気がします。

 なんか適当な理由つけて、ふなっしーが4体に増えれば、そら皆困惑しますわな(笑)…弟とかいたような気がしますが…

 それはそうと。キズナアイの場合、ゆるキャラでいうところの「着ぐるみ」と「(野暮な表現ですが)中の人」との関係を、義体(とは言ってないけど)とAIと設定していました。

 元が同一のAIであっても、別の義体に搭載して、違ったデータをインストールして違った経験を積めば、それぞれが独自性を獲得していくのは当然です。

 という、本来はコミックや映画など、自前で世界設定を用意しなければ表現できなかった物語を、キズナアイは動画再生サイトという、世界的に広がったプラットフォームを用いて見せてくれているのです。

 限りなく現実に近いところまで、サイバーパンクがやって来ているのかもしれない。

 と、ワクワクすると同時に、動画のコメント欄に多く見られる否定的な意見もかなり興味をそそられます。

 「同じ外見の違う人物」というのは、こうも人にとって受け入れがたいものなのかと。なんかSFで見るような「母親代わりだったアンドロイドと同じタイプの、自分を知らないアンドロイドと出会った時、人はどんな感情を抱くのか?」みたいなSF社会実験が、動画再生サイトのコメント欄という現実で行われているようで、非常に興味深いのです。(悪趣味)

 

 さて、今回の分裂の目的の一つは、中国語圏にキズナアイを売り出すために、中国語をインストールしたキズナアイを生み出す事だったと言われています。

 この中華なキズナアイだけは、髪形や服装を変更してありますが、意図は不明です。

 こちらも賛否両論・否が多いようですが、私はなんというか、外見は同じでも中身を変えた日本版『スパイダーマン』を思い出して、これもこれで面白く感じています。

 (むしろ外見に変化があるので、バットマン・ジャパン?)

 

 つらつらと、思いつくまま、まとまりなく書いてきましたが…

 少し前に、とあるVtuberが配信の中で「普通のYoutuberにはできない、Vtuberでなければ出来ない事」というのは無いのでは?という事を言ってましたが、今、キズナアイがやっているのがそれではないかと、期待しています。

 当分、キズナアイから目が離せません。