理想と妄想のジャンクション

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【マンガ】やっぱりミャアちゃんが一番可愛い

 

  先週末、出張先の福岡でふらふらと入った書店で、何気なく漫画コーナーを眺めていたら、とんでもない物が目に留まりました。

 吾妻ひでお氏の「スクラップ学園」が、復刊ドットコムから出ておりました。

 何故これを出張先で見つけてしまうのか。私は。

 上下巻、各2,700円(税別)。

 地元の本屋で見つけたのであれば、悩むことなく買えたのでしょうが、そこそこ分厚く、荷物になる事は確実。しかし、地元の本屋に置いてるとは限らない。そもそもプレコミ版を持ってる! しかし、これは話がちゃんと雑誌掲載順に並んでいる!(当時のギャグマンガって、なぜか単行本収録時に話が掲載順でない事が多かったんですよね。「マカロニほうれん荘」なんかもそうだった覚えがあります。「スクラップ学園」プレコミ版単行本もそうで、初期と後期で絵柄が変わっているのが入り混じってて、微妙に嫌だったんですよね…)

 そして、決定打として、「ミャアちゃん官能写真集」Part1、Part3がカラーで収録されている!…よし買った!ん? Part2はないの?(Part1のあとがきで、Part2はありませんと明言していたので、2を飛ばして、3を出したんだそうです。なるほど)というか、ミャア官に続きがあった事も知りませんでした。元々自費出版だったそうですが、こっそり「ミニティー夜夢」の後の方に収録されてたんだよなぁ…と、無駄に思い出にひたる私。

 

 吾妻ひでお氏といえば「萌え」の歴史を語る上で、確実に名前が出てくる人物で、SF的でシュール、不条理なギャグ漫画を多く手掛けておられますが、その中で、とにかく可愛い女の子を描く事で人気でした。「萌え漫画」の元祖とも評されます。(ご当人は「萌えなんて言葉は知らん!」とか言っておられましたが)

 可愛い女の子を中心に据えて、逸脱したキャラクターと、不条理な事件(日常)でコマを埋めていく、吾妻先生の真骨頂ともいえる作品です。

 30年近く前…二十歳前後の頃によく読んでいましたが、当時既に失踪時期だったようで(これも後から知りました。なんかガス会社の社内報にマンガ書いてるとか、噂があったのですが「失踪日記」でその真実が明かされて、ビックリ)、新刊は出ておらず、奇想天外社から出てたコミックとかを古本屋で買い漁ってました…と、これまた思い出にひたってみたり。

 

 「スクラップ学園」は、徹底的に主人公・猫山美亜(ミャアちゃん)を中心に話が進んでいきます。騒動を起こす側だったり、巻き込まれる側だったりしますが、時には真面目に、時にはやる気なく、暴走したり突っ込み入れたりしながら、ドタバタと大騒ぎな日常を送るミャアちゃんの物語です。

 改めて読んでみて、自由で物事に動じない性格のミャアちゃんは本当に可愛いです。個人的な好みではやっぱり、初期の3~4頭身の方ですが。そして、軽快な展開も非常に心地よく読めます。SFチックでくだらない超展開も多くてもうたまりません。

 この面白さは、私の個人的趣味に合うという事で、今の人にも通じるのかよく分かりませんが、個人的には5,000円オーバーの価値は十分にありました。

 理想を言うと、マンガ図書館Zに過去作品を収録して欲しいところですが…