【アメコミ】駆け抜けた嵐
先週の福岡出張の時、ちょっとBOOKOFFに寄ってみたら、懐かしい物が大量に置いてました。
スポーンのフィギュアです。
ブリスター無しが、どれもこれも350円でした。スポーンのフィギュアが最初に発売されたのは1994年だったそうです。もう20年以上経ってるのか…当時は大ブームだったのですが、もう、若い人には全く分からない世界ですね。
懐かしさ余って、アンジェラ買ってしまいました。
これパンツ白かったんですけど、確かエラー版でレアだった気がします。とはいえ、リペイントやら何やらでバリエーションも多いし、もうよく分かりません。
アンジェラは天界の戦士で、スポーンの強敵ですが、場合によっては味方となる事もあるという、人気キャラでした。
現在では、なぜかマーベルコミックの「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のメンバーになっています。マイティ・ソーの妹だったという事実も明らかになってます。どういうことなの?
スポーンを生み出したのはコミック・アーティストのトッド・マクファーレン。
マーベルで「アメイジング・スパイダーマン」などを描いていた人ですが、出版社が著作権を管理する体制に不満を持ち、ジム・リーやロブ・ライフェルド、マーク・シルベストリらとともに、作者が著作権を持つイメージ・コミックという出版社を立ち上げました。
当時の大人気アーティスト達による新ブランドは大ブレイク。「スポーン」をはじめとして「ワイルドキャッツ」「ヤングブラッド」「ウェットワークス」「ウィッチブレイド」などが大ヒットしました。
で、これら作品群は作者が著作権を持ったまま、世界観を共有していました。
マーベル、DCと同じように、クロスオーバーを行えるようにしていたのだと思いますが…これが後々、破綻していきます。
例えば、スポーンの誕生に深く関わっていたチャペルというキャラクターがいます。
チャペルは「ヤングブラッド」のメンバーで、著作権は作者のロブ・ライフェルドが持っています。映画になった時、当然チャペルは使えないので、その役目はプリーストという新キャラを作ってしのぎました。その後、ライフェルドがイメージを離脱してしまい、この因縁が本格的に使えなくなって、何か設定がいじられて、チャペルの存在は無視されるようになってしまいました…
イメージコミックの離脱者は続きます。
イメージの世界の中で、ジム・リー率いるワイルドストーム・スタジオは、多くの作家やヒット作を抱える最大勢力だったのですが、スタジオの経営に疲れたジム・リーは、ワイルドストームの作品群を丸ごとDCに売却してしまいました。
(その後ジム・リーはいちアーティストとして、DCでバットマンやジャスティスリーグ、スーサイド・スクワッドなどを手掛けています。ワイルドストームのキャラクター達は、DCに組み込まれたのですが、今ではほとんど姿を見る事がありません…)
いつの間にか、イメージ・ユニバースはほとんど「スポーン」ぐらいしか残っていない状態になっていました。
で、アンジェラ。
なぜ彼女が今、マーベルコミックにいるのかという話なのですが…
トッド・マクファーレンは「ミラクルマン」という作品の版権を巡って、ニール・ゲイマンというイギリスの作家と裁判で争う事になります。
「ミラクルマン」は元々ゲイマンが書いた作品なのですが…マクファーレン達は作者の著作権を保証するためにイメージコミックを作ったハズなのですが、その人が何をやってるんでしょうか?
裁判はかなり長引いたそうですが、最終的にゲイマンは「ミラクルマン」の著作権を取り戻しました。
ついでに、アンジェラの権利も取り戻しました。
スポーンのキャラクターではありますが、アンジェラは元々ニール・ゲイマンが創作したキャラクターでした。
ゲイマンは裁判を支援してくれたマーベルコミックに、お礼としてアンジェラのキャラクター権利を譲渡したのだそうです。
スポーンの作中では、アンジェラは既に戦死していたそうですが、彼女はある事件に際してマーベルユニバースに転生。なんやかやあって、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに加入する事になったそうです。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは、映画で一気に知名度を上げたタイトルですが(それまで私も知りませんでした)、調べてたらチームの変遷が物凄く面白いんですよね。
アイアンマンがメンバーだったこともあるし、元X-MENのキティ・プライドが2代目スターロードになってた時期もあるし…映画も凄く面白かったんで、もっときちんと邦訳出してほしいんですが…あと、ニール・ゲイマンの「サンドマン」の続きも邦訳を…(渇望)