【アメコミ】不死身のヒーローの死
- 作者: チャールズ・スール,スティーブ・マクニーブン,御代しおり
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2018/07/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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なんだってー。あの不死身のウルヴァリンがしんでしまうのかー(棒)
ネタバレ注意です。一応。
てな訳で、ウルヴァリンの最期を描いた「デス・オブ・ウルヴァリン」の日本語版ですが、これが発売されたのは、ウルヴァリン復活のニュースが聞こえてきた後なんですけど…そうでなくても、いずれ復活するのは誰もが知ってた規定路線ですが。
このウルヴァリンの時も、そういった読者の声に対して、少なくとも2年は復活してこないとMARVELが答えてたとかなんとか…
そもそも、アメコミのヒーローはよく死にます。そして、よく復活します。
何故なのか?
明らかに、人気の落ちてきたタイトルのテコ入れというのが、一番の理由です。
でもそれで、死んでしまったら、元も子もないのでは?と、普通は思いますよね?
しかし、主人公キャラクターが死んでも、ユニバースは続いていくのがアメコミの世界です。かつて話題になったスーパーマンの死の時も、コミックは続きました。数人の新たなスーパーマンが出現して、予断を許さない新展開で読者の興味を惹き続けました。
キャプテン・アメリカの死後は、ウィンターソルジャー(バッキー)が新たなキャプテン・アメリカになって、新たなキャプテン・アメリカ像を作っていきました。
ウルヴァリンも同様で、死後はX-23(ローラ・キニー。ウルヴァリンのクローンの少女)が跡を継いで、新しいウルヴァリンになりました。
そして結局、みんな復活してます。
人気キャラクターの死は、新展開への布石で「しばらく出て来なくなる」という程度でしかないんですよね…しかしまぁ、それはそれで、新しい展開が面白ければ、アリだと思うのですが。
バットマンが死んだ(と思われてた)時の、ディックとダミアンのバットマン&ロビンはかなり面白かったですし。(これと平行して、死亡したと思われてるバットマンの物語も刊行されてたので、これはちょっと違うのですが)
ウルヴァリンは…どうなんでしょ? ローラのウルヴァリンも見てみたいですが、邦訳はなさそうですし。しかもなんか、復活前に別ユニバースからオールドマン・ローガンが来て、ローラとからんでたとか…もうなんなんだか…結局、ローガンがいないと話にならないのかしらん。
さて、そんなこんなでコミック本編なのですが…
あんまり、ウルヴァリン最期の戦いという感じがしないんですよね。終始。
最後の敵(?)のチョイスも、分かるっちゃ分かるけれども、そもそも何でまだ生きているの?という感じが強い人物だし。
因縁のあるセイバートゥースやレディ・デスストライクも登場はするけど、中途半端な感じで、ウルヴァリンの最期を飾るという感じでもありません。いずれ復活した時にまた登場させる気満々に見えるのです。この辺りも、ウルヴァリンを精算する気が全くないのが見えて、緊迫感を薄れさせてます。
何より、冒頭でミスター・ファンタスティックが出てるのがいけません。
ヒーリングファクター失って、生命の危険を言われても、ミスター・ファンタスティックとウルヴァリンなら、なんかもう、どーにでもなりそうです。
そういう訳で、こちらの気持ちが出来あがらないまま迎えるヒーローの最期(?)でした…。どうにも食い足りない感じがして、何度か読み返してしまいましたが…ウルヴァリン主役で面白い話なら、これ読み返してるより、「エネミー・オブ・ステイト」再読してた方が有意義だったかも。