【アメコミ】X-MEN温故知新
ヴィレッジブックスが雑誌通販サイトFujisan.com限定で販売している邦訳アメコミの新シリーズ、マーベル・マイルストーンズの第1弾「X-MEN:アンキャニィ・ジェネシス」です。
そういえば、これまで邦訳されてなかったんだっけ?
オリジナルは1975年に刊行された「Giant Size X-MEN #1」と、それに続くレギュラーシリーズ「X-MEN #94~#100」で、表紙からして時代を感じさせます。
当時、X-MENは廃刊寸前だったそうで、思い切ったテコ入れとして、プロフェッサーXとリーダーのサイクロップス以外のキャラクターを一新した新シリーズが「Giant Size X-MEN」です。当時のX-MENメンバーはサイクロップス、マーベルガール、エンジェル、アイスマン、ハボック、ローナ・デイン。舞台がミュータントのための学園という設定だったので、ティーンエイジャーばかりです。
この旧X-MENの危機に、プロフェッサーが世界中からリクルートしてきた新X-MENは、顔ぶれがとにかく多彩。
ドイツからは悪魔のような外見のナイトクロウラー、カナダからは野獣の戦闘力を持ったウルヴァリン、スコットランドのベテランミュータント・バンシー、ケニアで女神と崇められていたストーム、日本のサムライ・サンファイアー、ソ連の心優しき巨漢・コロッサス、ネイティブアメリカンの戦士・サンダーバード。
ちぐはぐなくらいバラエティ豊かな顔ぶれですが、ウルヴァリンをはじめとして、40年以上経った今でも輝き続けるキャラが一斉に集まっているのが凄いところです。
とはいえ、この時点ではキャラクターがはっきり決まってない部分も多かったようです。ウルヴァリンは短気な野蛮人みたいで、今のような渋みと凄みは感じられません。そういった違いを知れるのも、古いコミックを読む楽しみでもあります。
絵柄は古いし、コマ割りはひたすら四角いし、台詞は説明的。しかし、明確に善悪がはっきりしてSF的でありながら、人種間の差別・憎悪といった深いテーマを持つ物語の魅力は今も色あせていません。
ちょっと今のX-MENはシリアスに傾き過ぎて、ヒーロー物とは離れすぎているようにも思ってたので、ヒーロー性の高い時代のコミックは、逆に新鮮でした。